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こんにちは、上虎(ウエトラ/@ue_tora)です。
今、映画『こんな夜更けにバナナかよ』が話題ですね。
このブログの管理人、上虎(ウエトラ)も全く同じ難病『筋ジストロフィー』(僕はデュシェンヌ型ですが)で、さらに気管切開で人工呼吸器を24時間使用、病院ではなく自宅で1人暮らし(気管吸引などの医療的ケアができるヘルパーさん24時間体制)、と状況が似ています。
映画館に行くのが難しいので僕はまだ見ていませんが、DVDやネット配信で自宅で視聴できるようになったら観る予定です。
ヘルパーさんや理学療法士さんから『観に行った』という話をチラホラ聞きます。
難病『デュシェンヌ型 筋ジストロフィー』の影響で、自分で呼吸ができなくなって気管切開で24時間人工呼吸器に任せるようになって13年目です。(2006春~2019/01現在)
呼吸は筋肉によって行われているので、全身の筋力が徐々に低下していく進行性の難病である『デュシェンヌ型 筋ジストロフィー』の影響を例外なく受けます。(程度は個人差アリ)
正確には、その直前まで『鼻マスク式の人工呼吸器』の時期が3年間程ありましたが、その時はあくまでも『自発呼吸の補助』的な使い方でした。(2002冬~2006春)
その後、主に『鼻マスク式の人工呼吸器』に関する色々な問題が発生して『遅かれ早かれ気管切開はまぬがれない』と感じたので、手遅れになる前にと早期決断して13年前に全身麻酔の手術で『気管切開』しました。(2006春)
『気管切開』(略して『気切』)とは、手術で首の皮膚などに穴を開けて気管への直通通路を作ってそこに『気管カニューレ』という交換可能なチューブを入れる事です。
また、『手遅れ』とは、痰が気管に詰まる等で呼吸困難で意識が無くなって救急車で救急搬送されて無意識の状態での緊急手術で『気管切開』する事です。
救急搬送や緊急手術が間に合う保証はどこにも無いですし、間に合ったとしても意識が回復した時には既に強制的に『気管切開』された後な訳ですから。
これは最悪のシナリオで、何の心の準備もできていないのに、喋れない事に相当ショックを受けると思います。
『気管切開』すると、教科書的には発声できなくなるのです。
でも、イレギュラーな方法でなら発声する方法がいくつか存在します。
ただ、それが全員可能かと言うとそういう訳ではなくて、完全に個人差です。
僕の場合は、『カフというバルーン(風船)を空気を減らす』&『カニューレと気管切開口の隙間をガーゼで埋めてリーク(空気の漏れ)を無くす』&『口や舌や喉や鼻の動きで人工呼吸器から送られてくる空気の流れをコントロール』の合わせ技で上手くいきました。
発声のタイミングでだけ口から空気を少しだけわざと漏らして、それ以外のタイミングでは空気をどこからも漏らさないようにコントロールしています。
それと、空気を吐くときじゃなくて吸う時に発声するんですよね。
最初は不思議な感覚でしたが、慣れたら大丈夫でした。
後、説明すると長くなるので詳細は書きませんが、気管切開すると、気管腕頭動脈瘻という合併症が起こる危険性がある場所に腕頭動脈という動脈が通っている事がCTで前もって分かっていたので、気管切開の手術の直後にそれに対処する全身麻酔の手術を追加でしました。
具体的には、胸骨を切除して圧迫解除、気管壁と腕頭動脈の間にクッション材の挿入、です。
気管腕頭動脈瘻で腕頭動脈から大出血した場合は救命率が非常に低いのだそうで(救急搬送⇒緊急手術の流れが間に合わない)、先手を打った形です。
この年は、その数か月後に胃ろうの全身麻酔の手術もしたので、全身麻酔を年に3回もした事になります。
激動の年でした。(2006年、13年前の話)
でも、そのおかげで13年後の今、元気に生きています。
医療の進歩に感謝です。
人工呼吸器が無かった時代は、『デュシェンヌ型 筋ジストロフィー』は20歳前後が平均寿命だったそうです。(僕は2019/01現在38歳)
ただ、呼吸と誤嚥の対策はしましたが、心臓の問題があります。
心臓も筋肉なため筋ジスの影響を例外なく受けるので、心筋保護目的のお薬を次の3種類、飲んでいます。
●ベータブロッカー(ベータ遮断薬)
●降圧剤
●利尿剤
何歳まで生きられるのかは分かりませんが(2019/01現在38歳)、その時はその時だと思っています。
今できる先手を色々と打っていますし、なるようにしかならないと思います。
ちなみに、当時『全身麻酔って抵抗できない物なのか?』という子供みたいな素朴な疑問を持っていたので、3回とも抵抗を試みましたが無理でした。5秒で意識が飛びました。(苦笑)
最後に、この記事の中盤で【『鼻マスク式の人工呼吸器』に関する色々な問題が発生して】と書きましたが、どんな問題だったのかを箇条書きします。
鼻マスク式の人工呼吸器が送り出した空気と一緒に、唾液や鼻水や痰や食べ物や飲み物が気管に押まれる。
一回、気管の入り口に詰まって窒息しかかりました。
鼻マスク式の人工呼吸器が送り出した空気が食道に押し込まれて胃に入って常にお腹がパンパン。
肺を圧迫して呼吸がしにくい。
食事も量を食べれない。
酸素濃度は良好だが心拍数が日に日に上がっていって(安静時120超え)、呼吸努力がそれを引き起してる自覚アリ。
鼻マスクは気管切開に比べると効率の面で限界がある。
気管切開後は改善しましたが、その後また上がってきたので、ベータブロッカー(ベータ遮断薬)という種類の心臓のお薬を開始して現在も継続中。