上虎(うえとら)寝たきりゲーム研究所(Uetora Netakiri Game Kenkyusyo)【ツイッター:@ue_tora】

「寝たきり障害者ゲーマー」の上虎(うえとら)と申します。「デュシェンヌ型筋ジス(DMD)」という難病の患者で、重度身体障害者です。寝たきり/人工呼吸器ユーザー(気管切開)。重度身体障害者は普通のゲームコントローラーを使えない場合が多いので、障害があっても使えるゲーム機への入力手段を研究しています。最近では視線検出装置も使われ始めています。障害があってもみんなと同じゲームがしたい!を応援したいので、障害者の方もしくは障害者の関係者の方で、もし相談・質問等があればメールフォームやツイッターのDM等にお気軽に~

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【裏ワザ】JoyToKeyをキーボードで使う方法

ブログ記事「【裏ワザ】JoyToKeyをキーボードで使う方法」のサムネイル画像

今回は、

【裏ワザ】JoyToKeyをキーボードで使う方法

を画像を交えながら、ざっくりと解説していきます。

2022/03現在、「エルデンリング」というゲーム(PS5版)をやっているんですが、この「裏ワザ」も操作に組み込んでプレイしています。

こんな特殊な使い方をする人は自分以外いない可能性がありますが(汗)、一応記事として書き残しておこうと思います。

この記事は、「【裏ワザ】JoyToKeyをキーボードで使う方法」、をざっくりと紹介する記事です。

※この記事では、「障害者ユーザー」と「一般ユーザー」の両方を想定しています。

こんにちは。

寝たきりで指先が少しだけ動く、

「寝たきり障害者ゲーマー」の上虎(うえとら)

と申します。

(人工呼吸器、気管切開、胃ろう)

ツイッター:@ue_tora 

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ウエトラ君(赤)

個人的な事情

自分は重度身体障害者でして、普通のキーボードを押す事ができません。

そこで、ゲームをする際は、ロジクール製「G600」というサイドボタンが豊富に付いているマウスのサイドボタンに、キーボードのキーを割当してゲーム操作をしています。

ただ、障害の影響で、全てのサイドボタンを押せる訳ではないんですよね。

そのため、押せるサイドボタンの数がどうしても限られてくるので、今度は「ボタン不足」問題が出てきます。

「ボタン不足」問題を解消するために、福祉用ゲームコントローラーや福祉用ボタンも併用していますが、G600」のサイドボタンでできる事を可能な限り増やしておきたい所です。

JoyToKeyの出番

そこで、Windows用アプリ「JoyToKey」の出番です。

JoyToKey」には様々な機能があります。

例えば・・・
  • 何ミリ秒以内にボタンを1回押すと「入力1」
  • 何ミリ秒以内にボタンを2回押すと「入力2」
  • 何ミリ秒以内にボタンを3回押すと「入力3」
  • 何ミリ秒以内にボタンを4回押すと「入力4」

JoyToKeyの設定画面の例(バージョン6.8)

ただ、非常に残念な事に、キーボードでの入力には非対応なんですよね。

WindowsPCに接続したゲームコントローラー専用なんです。

なんですが、ある2個のWindows用アプリと併用する事で、キーボードでの入力にも反応してくれるようになる「裏ワザ」があります。

仮想ゲームコントローラー vJoy

「裏ワザ」に必要な1個目のWindows用アプリが、仮想ゲームコントローラー「vJoyです。

vJoyをダウンロード

次のページに行って、「Download Latest Version」という緑色のボタンをクリックします。

vJoyをダウンロード #01

すると、自動的にカウントダウンが「5」から始まって、「0」になると自動的にダウンロードが始まります。

vJoyをダウンロード #02

ダウンロードするファイルを自分で選びたい場合は、最初のページの「Download Latest Version」ボタンのすぐ下にあるリストから進みます。

このダウンロードの仕方の場合も、自動的にカウントダウンが「5」から始まって、「0」になると自動的にダウンロードが始まる、という仕組みは同じです。

※2022/03現在の最新バージョンは、「Beta 2.x」(1番上)→「2.1.9.1-160719」(1番上)→「vJoySetup.exe」です。

vJoyをダウンロード #03

vJoyをインストール

ダウンロードした

vJoySetup.exe

を実行します。

「Next」ボタン連打でOKです。

vJoyをインストール #01

vJoyの設定

Windowsスタートメニュー→「vJoy」→「Configure vJoy」

を開いて、次の3ヶ所を変更して「Apply」ボタンをクリックします。(下の画像と同じになっているか確認してください)

  1. 「Number of Buttons」を「64」に変更
  2. 「POV Hat Switch」を「Continuous」に変更
  3. 「POV Hat Switch」内の「POVs:」を「4」に変更

Windowsスタートメニュー→「vJoy」→「Configure vJoy」を開く

Windowsスタートメニュー→「vJoy」→「Configure vJoy」を設定する

vJoy操作アプリ Virtual Controller

「裏ワザ」に必要な2個目のWindows用アプリが、先程の仮想ゲームコントローラー「vJoy」をキーボード等から操作できるアプリ「Virtual Controllerです。

Virtual Controllerをダウンロード

次のページに行って、「Download Latest Version」という緑色のボタンをクリックします。

Virtual Controllerをダウンロード #01

すると、自動的にカウントダウンが「5」から始まって、「0」になると自動的にダウンロードが始まります。

Virtual Controllerをダウンロード #02

vJoyをダウンロード #02

ダウンロードするファイルを自分で選びたい場合は、最初のページの「Download Latest Version」ボタンのすぐ下にあるリストから進みます。

このダウンロードの仕方の場合も、自動的にカウントダウンが「5」から始まって、「0」になると自動的にダウンロードが始まる、という仕組みは同じです。

※2022/03現在の最新バージョンは、「Virtual Controller v1072 Setup.exe」です。

Virtual Controllerをダウンロード #03

Virtual Controllerをインストール

ダウンロードした

Virtual Controller v■■■■ Setup.exe

を実行します。

「Next」ボタン連打でOKです。

Virtual Controllerをインストール #01

Virtual Controllerの初期設定

Virtual Controller」を起動します。

Virtual Controllerの初期設定 #01

メニューから「Settings」→「IO Devices」をクリックします。

Virtual Controllerの初期設定 #02

「IO Devices」ウィンドウが開きました。

「Physical」タブが表示されています。

「Keyboard」は最初からあるようです。

無い場合は、「Setup」→「Keyboard」をクリックして「Enable」にチェックを入れます。

また、「Mouse」がある場合は、「Setup」→「Mouse」をクリックして「Enable」のチェックを外します。

※マウス移動も入力に使いたい場合は、「Setup」→「Mouse」をクリックして「Enable」にチェックを入れてください。

Virtual Controllerの初期設定 #03

「Virtual」タブに移動します。

Virtual Controllerの初期設定 #04

「Setup」→「Generic Joystick (vJoy)」をクリックします。

Virtual Controllerの初期設定 #05

「Enable」にチェックを入れて、ウィンドウを閉じます。

Virtual Controllerの初期設定 #06

「vJoy 1」が出現しました。

ウィンドウを閉じます。

Virtual Controllerの初期設定 #06

Virtual Controllerの入力設定

※設定ファイルのサンプルを使いたい場合は、コチラへ。

ウィンドウを閉じたので、「Virtual Controller」の最初の画面に戻りました。

Virtual Controllerの入力設定 #01

メニューから「Settings」→「Controls」をクリックします。

Virtual Controllerの入力設定 #02

「Controls」ウィンドウが開きました。

Virtual Controllerの入力設定 #03

メニューから「Tools」→「Quick Binding」をクリックします。

Virtual Controllerの入力設定 #04

「Quick Binding」ウィンドウが開きました。

Virtual Controllerの入力設定 #05

「Output Device」欄「vJoy 1」になっている事を確認します。

Virtual Controllerの入力設定 #06

例えば、仮想ゲームコントローラー「vJoy」の「ボタン1」にキーボードのキーを割当したい場合は、Button [1] の「Assign」ボタンをクリックします。

Virtual Controllerの入力設定 #07

すると、「INPUT WAITING」と表示されて「入力待ち状態」になるので、例えばキーボードの「A」キーを入力します。

スクリーンキーボードでも可です。

※スクリーンキーボードを使う場合に、マウスが動いた瞬間に「入力待ち状態」が終わ場合は、「Virtual Controller」の最初の画面→「Settings」→「IO Devices」→「Physical」タブに「Mouse」が入っていると思うので、「Setup」→「Mouse」をクリックして「Enable」のチェックを外してください。

Virtual Controllerの入力設定 #08

Button [1] キーボードの「A」キーが割当されました。

ウィンドウを閉じます。

Virtual Controllerの入力設定 #09

1つ前のウィンドウに戻りました。

「Quick Binding」の結果が表示されています。

Virtual Controllerの入力設定 #10

設定の保存は、ウィンドウを閉じて「Virtual Controller」の最初の画面に戻って、「Settings」→「Save」からできます。

Virtual Controllerの入力設定 #11

設定ファイルのサンプル

設定ファイルのサンプルを作りました。

【Googleドライブ】 【One Drive】

使う場合は、ダウンロードした

Test001.vcd

を次のパスにコピーしてください。

(デフォルトのインストール先の場合)

C:\Program Files\Virtual Controller\Profiles

そして、次の操作で「Virtual Controller」に読み込ませます。

Virtual Controller」の最初の画面→「Settings」→「Load」→「Test001.vcd」を選択

設定ファイルのサンプル #01

Virtual Controller」の最初の画面→「Settings」→「Controls」をクリックした際に、次の画像のように「vJoy 1」の前に [?] の表示が無い事を確認してください。

ある場合は、

  • vJoy」のインストールが上手くできていない
  • 「vJoy 1」の設定が上手くできていない
  • 他の「vJoy」操作アプリが既に「vJoy 1」を使用中(UCR:Universal Control Remapper 等)

のどれかで、そのままでは「Virtual Controller」から「vJoy 1」を操作する事ができません。

原因を除去した後は、「Virtual Controller」を再起動して「vJoy 1」の前の [?] が消えている事を確認してください。

設定ファイルのサンプル #02

設定ファイルのサンプル #03

動作確認

JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が、設定通りに連動するか動作確認します。

先ほど「Virtual Controller」で設定した

vJoyの「ボタン1」=キーボードの「A」キー

をそのまま使います。

Virtual Controllerを動作開始

Virtual Controller」の最初の画面から「Settings」→「Run」をクリックします。

Virtual Controllerの動作確認 #01

コントローラーの絵が緑色に変わったら動作開始です。

※半角/全角キー(漢字キー)を押してしまうと、「Virtual Controller」が強制終了するので要注意です。

Virtual Controllerの動作確認 #02

「USBゲームコントローラーのセットアップ」を開く

Windowsマークを右クリックして「検索」をクリックします。

※画像はWindows11ですが、Windows10・Windows8・Windows7も同じ手順です。(Windows7のみ検索が右クリックではなく左クリック)

【Windows11(Windows10/Windows8/Windows7も同じ手順)】Windowsマークを右クリック→「検索」

「usb」と入力して、出てきた「USBゲームコントローラーのセットアップ」をクリックします。

【Windows11(Windows10/Windows8/Windows7も同じ手順)】Windowsマークを右クリック→「検索」→「usb」と入力→「USBゲームコントローラーのセットアップ」が候補として出てくる

※別の開き方

  • デスクトップを右クリック→「新規作成」→「ショートカット」→「ショートカットの作成」ウィンドウで「joy.cpl」と入力して「次へ」ボタン→「完了」ボタン→「joy.cpl」へのショートカットが作成されたので開きます。

    【Windows】右クリックメニューの「新規作成」→「ショートカット」
    【Windows】ショートカットを新規作成する際に、「ショートカットの作成」ウィンドウで「joy.cpl」と入力する
    【Windows】「joy.cpl」へのショートカット

  • 「C:\Windows\system32\joy.cpl」を直接開く、もしくは、直接ショートカットを作る。

  • 神モード(God Mode)」経由
    神モード.{ED7BA470-8E54-465E-825C-99712043E01C}
    もしくは
    GodMode.{ED7BA470-8E54-465E-825C-99712043E01C}
    という名前のフォルダを新規作成すると、「神モード(God Mode)」を開けるようになります。
    開くと、「USBゲームコントローラーのセットアップ」という項目があるので開きます。

    f:id:ue-tora:20220223152200p:plain


    【Windows】「神モード(God Mode)」ウィンドウで、「USBゲームコントローラーのセットアップ」という項目を見つける

「USBゲームコントローラーのセットアップ」を開いた後

「vJoy Device」があるので、ダブルクリックもしくは「プロパティ」ボタンをクリックで動作テストのウィンドウを出します。

「USBゲームコントローラーのセットアップ」で動作確認 #01

キーボードの「A」キーを押して、「ボタン①」の色が変われば成功です。

※違うウィンドウをクリックした状態だと反応しないので、必ず動作テストのウィンドウをクリックしてから反応を見るようにしてください。

「USBゲームコントローラーのセットアップ」で動作確認 #02

JoyToKeyで動作確認

JoyToKey」を起動して、「設定」→「全体設定」をクリックします。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #01

「押されているボタンをハイライト表示する」にチェックを入れます。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #02

ウィンドウを閉じて「JoyToKey」の最初の画面に戻って、「Options」タブに移動します。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #03

「設定したいジョイスティックの数 (Max 50)」欄に、ジョイスティックの検出本数と同じかそれより多い数を入力して、「変更」ボタンをクリックします。

画像では、「ジョイスティック:4本検出」と表示されているので、それより「1」多い「5」にしています。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #04

「Joystick」タブが、先ほど変更した数に増えます。

画像では、5個に増えています。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #05

キーボードの「A」キーを押すと、「Joystick」タブのどれかの色が変わります。

画像では、「Joystick 3」タブの色が水色に変わっています。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #06

反応があった「Joystick」タブに移動して、キーボードの「A」キーを押した時に「Button 1」の色が変われば成功です。

画像では、「Joystick 3」タブの「Button 1」が水色に変わっているので、成功です。

f:id:ue-tora:20220319153822p:plain

スクリーンキーボードで動作確認

スクリーンキーボードの「A」キーをクリックすると、「Joystick 3」タブの「Button 1」が水色に変わっているので、成功です。

「JoyToKey」と「vJoy」と「Virtual Controller」が設定通りに連動するか動作確認 #08

実際にエルデンリングで運用してみた

最終的に、「JoyToKey」が生成したキーボードのキーを、Titan Two」(タイタンツー)もしくはTitan One」(タイタンワン)というPC対応コンバーターに読み込ませます。

自分はTitan Two」(タイタンツー)を使っています。

例えば、

G600」のサイドボタンでキーボードの「Space」キーを入力

色々と経由

「Space」キーを短押しは「Options」ボタンでメニューを開く長押しは「タッチパッド」ボタンでマップを開く

等になります。

2022/03現在、PS5の最新ゲームはTitan Two」(タイタンツー)Titan One」(タイタンワン)も弾く仕様になってしまったので、仕方なく「PC版PSリモートプレイ」経由でプレイしています。

Titan Two」(タイタンツー)もしくはTitan One」(タイタンワン)に「PS4もしくはPS5純正コントローラ」に化けてもらって、出力をPCに繋ぐと一応プレイできます。